共創自治区 SHIKIAMI CONCON
Branding,Planning & Strategy,Art Direction,Space Produce,Facilities,Futures
UDS株式会社
ホテルアンテルーム京都は、2011年4月29日に京都市下京区に誕生した、カルチャーとアートを複合した日本初のホテルです。館内では、国内外のアーティストによるアート作品が展示され、客室の壁や廊下、レストランやバーなど、さまざまな場所でアート作品と出会うことができるホテル施設として、現在では数多く存在するアートホテルの先駆け的存在になっています。
このプロジェクトは、京都の文化やアートに詳しいローカルの人材による開発がスタートし、大きな話題となりました。
既存のカルチャーシーンやアートシーンではなく、新たな状況を生み出すために世界中のカルチャーシーンをリサーチしました。当時、海外ではエースホテルが注目を集めており、ローカルながらもカルチャーを発信している点がベンチマークとなりました。京都が日本最大の観光地として、どのようにカルチャーやアートシーンをホテル機能と調和させるかが大きな課題となりました。
まず立地として京都市内の繁華街エリアも候補となりましたが、代わりに京都駅南9条と10条の間にある候補物件をリノベーションすることを決定しました。これは世界中のカルチャーシーンやアートシーンが生まれる状況を調査する中で、豊かな街中心ではなく街の外れに多くのシーンが芽吹くことが分かったためです。また、ホテルの1階部分では撤去可能な壁面を全て壊し、空間の垣根を取り払った空間に変更しました。特に目を引くのは、入ってすぐに広がる「Gallery 9.5」、ここは元々、エントランスの靴箱エリアでした。私たちは、コンセプトやウェブサイト、ギャラリーのネーミング、開催するイベント、キュレーションするアーティストなど、ソフトコンテンツに関わる様々な要素に携わりました。通常の広告費を年間イベント費として活用し、ホテル内で話題となるイベントを実施しました。
このプロジェクトはクライアントから絶大な信頼をいただきました。スタッフの選考などにも参加し、10年以上経過した今でも古くならず、常に新しい状態を保っている姿を見ると、立ち上げだけでなく、運営スタッフがホテルの存在を正しく理解し、育てていくことの重要性を感じます。
本プロジェクト以降、私たちは立ち上げだけのコミットだけではなく、商業施設やホテル施設に関しては約2年間の並走期間を設ける契約を行うこととしました。ホテル内部のスタッフと共に自立できるまで協力しています。この並走期間を含めた正確な納品が重要な業務と位置づけられています。
稲葉なおと
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